詠み人知らずのお気に入りの歌一覧
恣翁
郎女の面にかけてし ザーメンに 似て 花弁の地に貼り付けり
12
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恣翁
夢うつつ 閨に 無慈悲な雨聞けば 落花の春を 臥して送らむ
29
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恣翁
はらはらと 花の重さに堪へずがに 風そよ吹かで 桜散りゆく
22
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恣翁
花に連れ 客散らしたる俄雨 垂綸の翁 独り残れり
12
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恣翁
卓袱台に 伏する茶碗の その上に 風の運びし桃の一片
28
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恣翁
湘水の女神 奏づる瑟の音の 怨みに堪へで 雁渡るらむ
10
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恣翁
黄昏に 細やかに降る緑雨こそ 落花夢見る睡り誘へ
22
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恣翁
古の詩人の情を盗みては 才なき我は歌と為しけり
18
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恣翁
芽吹きたる柳を 懐古の月照らし 菱刈唄の調べ哀しも
16
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恣翁
一抹の 薄紅の雲に似る 残りし桜花 雨に烟れり
22
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恣翁
春気満ち 桃の花弁浮かべたる 長良の川を 香魚上れり
18
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恣翁
春の夜の山の吐息か 梟の 声に月こそ 曇りゆくめれ
22
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恣翁
由来なる 藤の古木の影落とす 茅舎に 往時を偲びけるかな
14
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恣翁
憂鬱な 春の夕べの花曇り 白詰草ぞ 咲き誇りける
34
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恣翁
質入れて 誰か鱸を買はむずる 種妻子なる 初鰹好し
12
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恣翁
毛氈の鮮やかな緋は 茶を点つる たをやかな手に 暖かく映ゆ
22
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恣翁
昔日の姿留めず 物売りの 行き交ふ内裏に 無情の花咲く
16
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恣翁
たたなづく霞の底から 眠さうに 遠くの寺の鐘響くなり
26
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恣翁
煙波籠むる 川の畔の柳条に 舟曳かれけり 風の随に
28
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恣翁
今時分 大川端に花見かは 親子睦みて稲荷摘めり
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