やまざくらさん
のうた一覧
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糸桜 万朶の蕾 くれないに 一樹かがよふ 静かなる朝
令和二年五月二十二日
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梢吹く そよぎも見えぬ 夕なれど 君とそぞろに 藍染浴衣
令和二年八月二十二日
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アルプスの 雪解の水の 清冽に 早苗田満たし 満たし下りぬ
令和二年五月二十九日
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終の地と 定め帰りし 故郷の 山河麗し 憂き瀬の日々も
令和二年七月五日
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抱き来し 埋もれ火ひとつ 消ゆる無く 君の息災 ひたに祈りぬ
令和二年九月十二日
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新米の 炊き立て夫に まづ供へ 秋桜揺るる 丘の日想ひぬ
令和二年十月十日
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山の辺の 石仏に散る えごの花 そを踏みかねて 道の端を往く
令和二年五月二十一日
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疫の世の 盆地の空に 郭公の 初音高々 今明け染める
令和二年五月二十三日
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花山葵 グラスに挿せば 食卓に 安曇野渡る 風も届きぬ
令和二年六月二十七日
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紫陽花の 花色映す 彩な露 朝の庭に 光りこぼるる
令和二年七月十一日
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諸人の 上に遍し ご来迎 君がひと日の 安けくあらむ
令和二年七月十七日
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山里の 清流濁り 音高し 何処に宿らむ 小さき生命
令和二年七月二十四日
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寄り添へぬ 君を心に 四季かさね 疾くすぎ逝きぬ 信濃路の春
令和三年四月三十日
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虚しさを 癒す術なき この夕べ 夢路に還らむ 想い出の日々
令和三年九月二十六日
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径の端の 白き十字の 花清し 問へば懐かし どくだみの花
令和二年六月六日
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鈴蘭の 香を纏ひこし この夕べ 君のみ後を 夢に歩まむ
令和二年六月十三日
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安曇野の 清き流れに 育まる 山葵仄かな 甘みを持てり
令和二年六月二十七日
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薄墨の 景に鎮もる アルプスの 雲海ほのかに 染むる曙
令和二年七月十七日
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大雪渓 群青の空 峰遠し アイゼン響かせ 点と成り往く
令和二年八月十五日
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二輪草 白き群生 風渡る 此よりは急登 槍の秀遠し
令和二年九月六日
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