えんとつcaféさん
のうた一覧
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砂浜に捨てられている揺り椅子にときおり風が座りては去り
令和二年四月二十三日
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満月の夜は夢から抜け出してトタンの屋根で猫と月見る
令和二年四月二十七日
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自転車にのれた瞬間ともだちのリストに風も入れる小三
令和二年四月二十九日
18
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石ころを蹴って歩いて大人でも迷子になりたい夕焼けがある
令和二年四月十五日
17
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おそらくは一番長い旅なのに置いていかれた祖父のミノルタ
令和二年四月二十二日
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正確に風をとらえる少年のはねた寝癖が指さす航路
令和二年四月一日
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あそこにもここにも空が落ちてると子供が覗き込む水たまり
令和三年八月十日
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持ち主のまどろむ隙に本を出て名のない猫も散歩する春
令和二年四月十四日
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履かれない母のサンダル縁側の日差しにならび桜載せる船
令和二年四月二十日
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桜の季節ももう終わりですね。
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夜勤明けネクタイゆるめ窓に置く眼鏡で透ける土曜日のそら
令和二年四月二十五日
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乗客を降ろした後は潮騒を乗せて街へと帰る終バス
令和二年四月十日
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一人きりジャングルジムに座る子の目線を借りて見たい夕焼け
令和三年八月四日
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追いかければおそらく夏の終わらない国まで飛んでゆくギンヤンマ
令和三年八月十八日
12
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おさなごは空の一部をめくるようにブランコを漕ぐ思い切り漕ぐ
令和三年八月十九日
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久々の晴天です。
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もう発射オーケーだよと公園で子供の息をまってる綿毛
令和二年四月三日
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菜の花が香る町です自転車の駐在さんの鼻歌が過ぐ
令和二年四月七日
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それぞれに夢やオモチャやぬいぐるみ抱えて子らは州の字で寝る
令和二年四月十一日
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蝶たちは次々飛んで影だけが残る窓辺の標本箱に
令和二年四月二十一日
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水鏡そっと素足で踏むように水の匂いの五月を歩む
令和二年五月一日
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見つけたら捕らえるべしと園児らに指名手配をされるドングリ
令和三年八月三日
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