猫谷しゅうさん
のうた一覧
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繰り返す会えた瞬間 明度増す 頭の中のスローモーション
平成三十年八月六日
15
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おろしたての靴はちょっぴり恥ずかしく花びら敷いた道をゆくよう
令和四年三月七日
13
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満月をつかまえたくてベランダでコーヒーカップの水面にうつす
令和四年三月十五日
13
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星形の金木犀を見上げたら夜空にちょっと届く気がした
平成三十年十月二日
12
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フローリングねじれて伸びる愛猫の寝相に残暑を感じています
平成三十年八月十二日
11
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窓という窓が朝日を吸い込んで始発電車はひかりに満ちる
令和四年三月十一日
10
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静けさが響く図書館その中に気の合う本の鼓動をさがす
令和四年四月二十五日
10
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胎児へと還すみたいに猫を抱く足りないものを補うように
令和四年五月十三日
9
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きみの髪やさしく撫でる春風にぼくはいささか嫉妬している
令和四年三月十四日
8
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静けさを茶化すみたいにそよ風が木漏れ日ゆらす図書館の窓
令和四年三月十五日
8
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ここからが春だと澄んだ晴れ空に飛行機雲が境界を引く
令和四年三月六日
7
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たましいを吹き込むように画家は絵の瞳にひかり一粒のせた
令和四年三月六日
7
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振り返る雑踏にいるはずのないあなたと同じ香りがひかる
令和四年三月十二日
7
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それぞれのリズムで梅の花びらがこぼれかすかに春風を編む
令和四年三月十三日
7
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夕焼けと夜の抱擁みとどけて一番星はつよくなりゆく
令和四年三月五日
6
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回遊魚みたいに過ごす少女らは渋谷の街を水槽にして
令和四年三月十日
6
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図書館に沈殿してく静寂で呼吸が整う深海魚になる
令和四年三月二十二日
6
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両脇に花の並んだ庭をゆく猫のランウェイ見届けて 春
令和四年四月二十五日
6
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奥へゆくほどに濃くなる古書店の匂いに本の樹海を惑う
令和四年三月十日
5
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やわらかく深夜を支配するようにコンビニたちが銀河をつくる
令和四年三月十二日
5
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