めだかさん
のうた一覧
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独り身は「一つ下さい」が言えなくてケーキ屋の前早足になる
平成二十八年六月十七日
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弾き語り七十半ばの趣味となり今夜も一人若き日の歌
平成二十八年十一月十一日
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訳もなくただ植え替えた庭草を五月の風が静かにゆらす
平成二十八年五月二十四日
10
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門燈を消すこともせず朝となり一人の暮らし二年目に入る
平成二十八年八月三十日
10
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施設から届いた姉の絵手紙の金魚は泳ぐ出口探して
平成二十八年九月三日
10
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ようやくに歩いているか老犬と老いたる男夕陽に消える
平成二十八年十月六日
10
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テレビ消し電気も消して十三夜妻帰るまで虫の音を聴く
平成二十八年十月十八日
10
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あれも嘘これも嘘とを知りながら憎めぬままに秋風の吹く
平成二十八年十一月十四日
10
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一日に一膳あれば十分と老いらくの恋探して歩く
平成二十八年十一月十六日
9
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異常なし術後一年檢査をえ紫陽花青く大きく咲けり
平成二十八年六月十六日
8
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年越したハイビスカスは鉢の中真っ赤に燃えて梅雨の間に咲く
平成二十八年六月十八日
8
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門灯を消すことできず帰り待つ 白提灯がゆれる盆入り
平成二十八年七月十九日
8
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週に一度車飛ばして実家に行き趣味の書道の父に付き添う
平成二十八年九月十七日
8
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十六夜の月に恋して眠られず立待・居待・そして臥待つ
平成二十八年九月二十日
8
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パンかじるスマホ見ているコーヒ飲む信号待ちの運転手たち
平成二十八年十月十七日
8
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定めなど知らずじゃれあう子猫たち明日はそれぞれ貰われていく
平成二十八年十一月八日
8
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金なくも犬と猫には頼られる散歩をしたり膝を貸したり
平成二十八年十一月十九日
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母でなく妻でも娘でもない女性が夢に出てくる昼のまどろみ
平成二十八年六月十九日
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南天の花わずかな風にゆれて見向きもされず水無月に入る
平成二十八年六月二十六日
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趣味ですか本気ですかと聞かれたり本気で趣味で初心者なんです
平成二十八年七月二十一日
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