せみどさん
のうた一覧
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本棚の一番端でへこたれた文庫本のような人生
平成二十七年十一月十六日
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父のような私のような顔をして花にうもれて夢も見ぬ祖父
平成二十八年一月八日
9
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ぴかぴかと揺れるディスクを巻きつけて今日もかかしはUFOを呼ぶ
平成二十七年十二月一日
8
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全身の細胞が「うん」と言うまでは楽に死ねない な、薬指
平成二十七年十一月十九日
7
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一日分の達成感を添加したジュースはここに置いてませんか
平成二十七年十一月三十日
7
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四月への町のふるえをそっと掃き 水を得ぬまに桃のほころぶ
平成二十八年三月三日
7
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ベーコンとマッシュルームの缶詰はもう七日間ルゥを待つてる
平成二十九年十一月十一日
7
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おかあさん味のおかずと題されし本は机に母はまくらに
平成三十年九月四日
7
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鈍行の座席にまどろむセーラーの彼女の夢の夕日になりたい
平成二十七年十二月十四日
6
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美しき足に仕えるはずだったヒールの隙間を百均で埋め
平成二十八年二月九日
6
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悲しみの匂いを本にかぎつけてチョコのレシートで栞したひと
平成二十八年二月九日
6
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4かける3センチの絵を切りとって私の代わりに笑ってわたし
平成二十七年十二月十四日
5
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言葉なく君の手のひらに結ばれた雪のつぶてに葉で口をつけ
平成二十八年三月十日
5
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手ぶくろの熊がほほえむ帰り道呪いがとけて笑みを返すよ
平成二十九年十一月十一日
5
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もし僕が建築家ならこの町を君の背中のまるみに合わせる
平成二十九年十一月十九日
5
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夕映えが君に溶けこむ現象に僕の名前でサインをしたい
平成二十九年十二月七日
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気に入りのヒールと君はよく似てて痛くてもスキと信じなきゃ駄目
平成三十年十月二十八日
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まばたきを こらえた分だけ夢をみて 自分を信じられる気がする
平成二十七年十一月十六日
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昨夜から体のひだりが痛むのは君もだと良い くすり指とか
平成二十八年三月十三日
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四字のうち一字違えた名札つけ歩いていける 風を選んで
平成二十九年十一月十一日
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