ひかりさん
のうた一覧
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睫毛にも等しく雪は降り積もるひとと町とを薄く埋めて
平成二十七年十一月九日
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翳りゆく夕べきみとのいさかいの後のカップのさざなみのうた
平成二十九年二月十六日
8
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春風がほどく真ん中背中から声にならない声を聞かせる
平成二十九年二月二十五日
8
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真夜中のアスファルトには頭骨か白木蓮の落ちる音して
平成二十八年三月十三日
7
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靴底の闇に吸われた花びらを踏みにじる春また排卵日
平成二十八年三月十五日
7
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全面の中吊りの梅から肩に春が降るまでトンネルの闇
平成二十九年二月十八日
7
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からからとマッチ箱ふる雪はまだあの傷さえも隠せないまま
平成二十七年十一月二十四日
6
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指だけで繋がっている真夜中の冷蔵庫では檸檬朽ちゆく
平成二十九年二月二十五日
6
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卒業という剣もて空に向く白木蓮の翼仰げば
平成二十九年二月二十六日
6
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炭化するような夕闇やすやすときみを手放すふりをしただけ
平成二十七年十一月九日
5
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素麺のような驟雨が東京の微熱をがらりがらりと冷ます
平成二十八年八月十二日
5
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土埃舞い上がる道遠くてもゆく鈴なりの春を摘むきみ
平成二十九年二月十九日
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団体客の残骸をついばんで甘く酸い...
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すきま風ファとソの欠けた子の歯にも正しく叫びゆく救急車
平成二十九年二月二十六日
5
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毒となる消毒液の匂うとき核となる花手向けて静か
平成二十九年二月二十八日
5
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どこどこと雑踏がいうさがしてるひとはいなくていい氷点下
平成二十七年十一月九日
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ねぇジェリー格差はあるねカル缶の横に殺鼠剤があること
平成二十七年十二月八日
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朝焼けに蹂躙されて始まったはずの世界を冷やす朝刊
平成二十八年一月五日
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業の雨うたれて春の名のきみを呼ぶぼくの名を持つ停留所
平成二十八年三月十五日
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立ち止まることもできずに春はゆき漸近線だ街に暮らせば
平成二十九年二月二十五日
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もてあます春 枷外す風よ吹け墨色の檻獣舎にも花
平成二十九年二月二十六日
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