煩悩さん
のうた一覧
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猫の夢の如しほがらかな陽射しの中で消えるうたかたは醒める
平成三十年十月二十六日
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パンを海に浸して食べる朝焼けの似合う青い喫茶店
平成三十年十月三十日
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マウンドの視線は追う走者一掃の左中間に落ちたボール
平成三十年十月三十一日
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朝の雲になったぼくの寝息に乗っかってるのはだれだ
平成三十年十一月一日
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この夜の底で渇きの海へ行くひたすら歩め我が四足歩行
平成三十年十一月三日
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毎日は和訳のない洋楽のよう君の罵声に戸惑うばかり
平成三十年十一月四日
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ふと見てしまったシリウスこれでもう冬を拒むことは出来ない
平成三十年十一月十三日
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常識を振りかざす人の常識に打ちのめされてる非常識な阿呆
平成三十一年一月二十三日
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濁点のない生活を送るチカチカと蛍光灯に点滅する俺
平成三十一年三月八日
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みずいろのつばさをひらくみずいろのあさせをめざすかぜをつかんで
平成三十一年四月四日
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このカラス俺より頭が良さそうだ俺より包容力がありそうだ
平成三十一年四月十三日
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鍵束を鳴らして歩くまだ若きグリーンマイルの看守の憂鬱
令和元年七月二日
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海竜の泣き声がしているのですこのかけがえのない冬晴れに
平成二十九年十二月十八日
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大切な思い出の鉢、割ったから もう教室から逃げられません
平成二十九年十二月十七日
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三つ数えろすべてが滅びるそのまえにお前の救いを歌ってみせる
平成三十年一月二十五日
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きみこそがぼくのまぶたであったんだ海岸線で小雨をのみこむ
平成三十年二月七日
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落下する砲弾に圧死する外野手のグローブに白球がありき
平成三十年二月十日
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エドガー・アラン・ポーと嘘を忍ばせたリュックがキャンパスを歩く
平成三十年二月十七日
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いつまでもやってこないドン・キホーテを忘れてしまう春の風車塔
平成三十年二月十八日
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山影をずれ落ちていく舟もまた寒し夜明けの夢の瀬戸際
平成三十年四月十五日
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