松本直哉さん
のうた一覧
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なすの紺ししたうの青かぼちやの黄いろとりどりの夏揚げにけり
令和五年五月十二日
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さかさまに吊るして春を惜しみけり花のにほひはうつろひやすく
令和五年五月十二日
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邂逅はいかなる火花散りにけむ老いたるゲーテと若きベトヴェン
令和五年五月十二日
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削除また削除のすゑにあらはるるりんごの芯のごときたましひ
令和五年五月三日
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トンネルを抜ければ流竄 われこそは新島守とつぶやいてみる
令和五年四月二十七日
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貿易商グラバー邸よりながむれば波しづかなる長崎の海
令和五年四月二十七日
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時は春時間は正午玲瓏とカリヨンの鳴る市役所広場
令和五年四月二十七日
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後ろ手にブラの留め金はづしけり月かげしるくてらす横顔
令和五年四月二十七日
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かき混ぜて流しこむときじゆわわわとかなしき音を立ててかたまる
令和五年四月二十五日
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禿げかたの美しいひとにあこがれる たとへばゲオルク・ショルティのやうな
令和五年四月二十五日
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ぬばたまのロザリオたぐる毎日のいのりこそわがささげものなれ
令和五年四月二十五日
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花びらに十重に二十重につつまれて薔薇のしとねのなかのまどろみ
令和五年四月二十五日
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「紅葉賀」ひもとく夕べ篳篥と笙のしらべにみつる行間
令和五年四月二十二日
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「眠りとは小さき死」とふことわざを思ひ出でつつ眠りに就く夜
令和五年四月二十二日
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ガラス戸に当たる小石を合図とすすべてを捨てて逃げだす手筈
令和五年四月二十一日
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心をばなににたとへむ休講を知らずに待てるへやのあかるさ
令和五年四月二十一日
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ファルファッレ、タリアテッレにフジッリとこころ娯しき日々のあけくれ
令和五年四月二十一日
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一時預かり荷物係にたましひをあづけていまはからだかろやか
令和五年四月十七日
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較ぶれば夢まぼろしのごときかな憂しと見し世を遠くはなれて
令和五年四月十七日
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右ひだり異なる深さ 不確かな足あとつけて森へ消えゆく
令和五年四月十七日
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