小林道憲さん
のうた一覧
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今年また蛙の声を聞きえたり 水満る田に映る灯火
平成二十九年五月四日
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融け始む雪間にのぞく青草をついばむ椋の夫婦来る朝
平成二十九年二月十八日
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木犀の香り漂う街並みの風はよどみぬ秋の長雨
平成二十八年九月二十九日
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啼く蛙 水満ちる田 湿る風 揺らぐ家影 映るともしび
平成二十八年五月五日
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星の瞳 透きとおる青 急ぐ小径 雪残る山 吹く南風
平成二十八年二月二十二日
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生い繁る椰子の葉影が砂に浮かぶ 南の果ての島の夕暮れ
平成二十七年八月十二日
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眼を凝らし耳に聞こえぬ音を聞く 遠き巌に砕け散る波
平成二十七年八月三日
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新緑のあけぼの杉に朝日射し 鳥の語らい 森にこだます
平成二十七年五月二十四日
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風もなく樹々の緑の目に浸みて 鳥の声のみ響きわたりぬ
平成二十七年五月六日
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群青の硝子の酒の清くしてペルシアの乙女 春風に舞う
平成二十七年三月十八日
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朝日さし眩き光きらめきぬ 若芽凍える春の降り霜
平成二十七年二月二十一日
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春立つといえどもいまだ消えがたき雪の下なる土のぬくもり
平成二十七年二月五日
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寒雀 夕暮れ時に集まりて 囀りてのち 皆飛び立ちぬ
平成二十七年一月十五日
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街中に降りしく雨は凍てついて 夜更けのうちに雪になりけり
平成二十七年一月八日
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奥山に鳥とぶ姿立ち消えて 訪う人なく雪の降り積む
平成二十七年一月二日
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冬枯れて行き交う車の音絶えて夜の雨のみ降りしきりたり
平成二十六年十二月十三日
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雨過ぎて銀杏の落葉 路に敷く 思い定めぬ暮れの街角
平成二十六年十一月二十六日
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さなきだにもののさびしき夕べかな銀杏の落葉袖に降りしく
平成二十六年十一月十五日
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桐の葉の欠けたるところに星ありて 眠れぬ夜をひとり過ごしつ
平成二十六年十一月六日
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秋暮れて嵯峨野の道の野の宮の竹の葉風は恨みなりけり
平成二十六年十月三十一日
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能「野宮」より。源氏物語の一舞台...
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