恣翁のお気に入りの歌一覧
兎桃
一面に春の田覆う野鉄砲いずれ鋤き込み稲の肥にせむ
4
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滝川昌之
葉桜に春光強くなりゆけば街には日傘追いかけて咲く
23
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夢花火
儚くも 散る美に浸る 星空に 命灯火 線香花火
3
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音蔵 雅秀
吉野花 刹那に散りゆき 川面には 淡き紅色 花の浮き橋
2
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バジル
澄ましてるあなたの前を斜交いにどこか淋しく舞う桜花
17
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横井 信
道端のシロツメクサの一群を踏み締めながら春風を待つ
14
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仙人の弟子
春の夜の仕事帰りに今日もまた川べり歩き夜空見上げる
5
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うすべに
ほのじろくつもる花びら舞い上がる 家路をいそぐ人の足元
13
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美生子
飴色に使い込まれたつげ櫛に祖母の匂いは微かに残る
17
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茂作
梨の花君のやうだと云へなくて ただ綺麗だと云つたあの時
16
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Aquarius
嫌なことあってもせいぜい三日間詰め込むことが多々あったから
2
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兎桃
芝桜覆いし草を引きおけば薄紅に広々と咲く
2
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滝川昌之
変わり種なんて要らない天婦羅はゴマ油江戸前車海老サクッ
14
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くりん
手を広げ 花びら受けよと 母の言う白杖の子の 頬やわらかく
8
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夢花火
豚肉に 擦り込む指は しょうが臭 好物作る ひと手間が好き
4
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恵雪
最北のバラ園囲いを外すとふ雪深き故郷春やうやうに
8
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舞
シャボン玉掴まんとせば手にはじけ思い出のみに残る虹色
11
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アガサ
伊豆山の 湯に溶け出でる 積年の仕事の重み 手に掬ひ見る
4
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茂作
れんげ野に寢轉びおれば天さして 雲雀上がりぬ春のまん中
16
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うすべに
少年の背をおいかけて花ふぶき 見得など切れば歌舞伎の舞台
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