煩悩のお気に入りの歌一覧
灰色猫
人という荷物を乗せた貿易船あなたがもしも奴隷だったら
17
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滝川昌之
容赦なく蜂のムサシを焼き尽くす梅雨明け十日のでかい太陽
17
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へし切
夏空に無くてはならぬ太陽に笑顔を向けてひまわりの花
14
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滝川昌之
こだわりの果肉ソースも魅かれるが氷イチゴは駄菓子屋がいい
15
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灰色猫
もののけの木霊のように小雀は神住む森で夏をさえずり
19
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へし切
駒を指す負けず嫌いの血が滾る吾が心根の老い知らずかな
12
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灰色猫
真夏日の幻みたいゆらめいた君は届かぬ逃げ水でした
24
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へし切
吾が庵の狭庭の陰のほたる草 仮のいのちを儚に咲きぬ
15
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灰色猫
涼やかな長良の川の鮎酒に酔いし今宵は天下の夢を
19
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へし切
梅雨明けて 土用の丑は真夏日に うなぎ弁当 ひとり侘しも
15
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滝川昌之
五日目で覚えた頃にはもう終わる蝉におよばぬラジオ体操
17
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へし切
住む人の去りて空き家の 夏みかん 道辺に熟し 二つ三つ落つ
21
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灰色猫
弔いの寺の庭より悲しみの水子想いつ紫陽花を折る
19
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灰色猫
捨てられた子猫を撫でる温もりを求めていたのは僕のほうだね
19
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滝川昌之
明けたかと梅雨雲の無き空に問う野分ゆけばとまだ重き南風(はえ)
17
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灰色猫
深海の魚のようにゆらゆらと愛を求めて歩く東京
22
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灰色猫
美しく青葉を濡らす五月雨を惜しみながらも海が恋しい
17
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滝川昌之
ドクドクと軽く握った軍手越し蜥蜴の腹の強き鼓動よ
21
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灰色猫
梔子の白き花咲く甘き庭やさしく香る夏の訪れ
23
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滝川昌之
薄日出て水田を駆ける雲の影おびえる稲を抱くアマガエル
21
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