灰色猫のお気に入りの歌一覧
桜田 武
菜園に遊ぶトンボの数僅か寂しさは失われゆく自然に
9
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水無月
残暑長く秋は名のみと思えども目の先にふと赤とんぼの群れ
9
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ななかまど
手鏡に写り込みたる達磨が言う夏が過ぎたら気持ち老いたか
16
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舞
焼き付くす 火も埋もれ火に 懐かしみ 触れては残る やさし温もり
7
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へし切
鶉鳴く古りにし里の秋風に尾花なみよる深草の宿
17
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ななかまど
風に揺れ雨に打たれる乱れ萩ことば少なの人と見る庭
17
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詠み人知らず
秋鳴らす 羽音響きし 鼓膜揺れ 筆を滑らし 落ちた静けさ
6
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へし切
秋は夜 月の頃には更なりと言の葉種を書きたむ 夕べ
13
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KEN
秋の草 刈る人の掌の ふしくれを 思ひつ登る 杜の階
12
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茂作
哀れなりかくも誇れし向日葵の しをれてのみや捨てられてをり
16
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音蔵 雅秀
友の子の 抜歯手術の気にかかる 全身麻酔を要する子ゆへ
3
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恣翁
鴨川の土手に 寄り添ふカップルの 含み笑ひの耳につくかな
13
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へし切
秋風に折れぬばかりぞ女郎花 心ひとつを誰になびかむ
15
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ななかまど
彼岸すぎ夏の名残りのため息のような一日が過ぎて夕風
18
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小林道憲
老眼の眼鏡かけたるわが夫を 雛壇より見ている夢のおかしさ
3
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横井 信
まだ暑い九月の空にのびる枝 軽いリズムでハサミが迫る
12
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茂作
ささがにの絲に絡まるもみぢ葉の まはるを見ては風を知るなり
18
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夕夏
あのころはせしるかっとにあこがれてぼーいっしゅでもしとやかえんじ
5
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KEN
月の燈を 濁す確かな 不確かさ 風にさらされ 乱ふ雲かも
11
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音蔵 雅秀
同期生 障害持つ子の共に親 奇縁の紡ぐ絆抱きて
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